急速に未曾有の高齢化社会を迎えつつある我国においては、がんや動脈硬化、アルツハイマー病や骨粗鬆症などさまざまな疾患に画期的な治療薬の開発を望む国民の願いが切実なものとなっております。こうした中、21世紀に入りヒトゲノム解読とそれに続くエピゲノム解明の進展、さらに京都大学の山中教授による万能細胞の作出などから創薬の道筋に大きな希望が生まれております。
一方、トランスレーショナルリサーチとしての創薬は、世界での画期的新薬の承認数が30以下へとむしろ減少しており、国民の期待に応えるために新たな研究の奨励が必要となっています。この原因は、医薬品の開発候補品の多くが開発途上で、人体内での有効性を示せなかったり、予期せぬ副作用で脱落することにあります。従来型の医薬品開発では、98%のプロジェクトが失敗しているという報告もあります。
このような現状を踏まえ、新たな創薬科学研究の奨励を目指し、私どもは2007年4月に創薬に関する2つの財団、医薬資源研究振興会と病態代謝研究会の事業を統合し、新たな「病態代謝研究会」としてスタートいたしました。
医薬資源研究振興会は1946年に、医薬資源に関わる研究を進めるために設立されました。病態代謝研究会は、1969年に、病態と生体内代謝の研究から治療薬の進歩に貢献することを目的に設立されました。しかし、従来の基礎から臨床へという一方向型の研究では画期的な創薬を十分に奨励できない限界があり、これを打破するためには、新たな研究奨励活動が求められています。
新たな「病態代謝研究会」は基礎科学としての医薬資源ならびに細胞生物学、応用科学としての病態生理および病態薬理の研究の奨励に加えて、これら研究と臨床科学を融合させることにより画期的な治療法を早期に生み出し、それらが速やかに患者さんの手元に届けられるような研究を奨励することを目的としております。さらに臨床から基礎と応用への新たな課題提起を含むサイクル型の創薬科学研究を奨励し、国民の期待する画期的な治療薬を生み出す21世紀型の研究を奨励することを目指しております。さらに臨床から基礎と応用への新たな課題提起を含むサイクル型の創薬科学研究および国民の期待する画期的な治療薬を生み出す21世紀型の研究の奨励も目指しております。
当財団の進めようとする研究奨励活動は、今日の日本にとって必要かつ緊要な課題であり、創薬科学の大きな発展の基礎に必須のものと考えます。
この活動につきご関係の皆様にご理解いただき、更なるご支援をいただけますよう切にお願い申し上げます。